産業用燃料電池の特徴とメリットデメリット

更新日:2018年12月7日

家庭用燃料電池はエネファームという愛唱で広く一般に知られていますが、産業用燃料電池は一般住宅向けではないため、あまり知られていません。

しかしながら、既に病院やホテルや防災施設などを中心に導入され、実際に稼働しています。技術開発の余地がまだまだ残されていますので、今後の普及促進に期待がかけられています。

目次

  1. 特徴・仕組み
  2. メリットデメリット
  3. 産業用燃料電池のメーカー比較

特徴・仕組み

燃料電池の仕組み

こちらは燃料電池の仕組みを表したイラストです。元素記号が書かれているため、ちょっと難しいと感じられるかもしれませんが、簡単に言うと水素と酸素の化学反応で発電を行います。

この仕組み自体は産業用でも業務用でも家庭用でも変わりません。家庭用燃料電池(エネファーム)との比較で最も違いが顕著なのが「発電規模」と「価格」です。

蓄電池コージェネレーションシステムなどにも同じことが言えるのですが、一般的に産業用のものは家庭用のものよりも規模が大きく、また規模の比例するように価格も高くなる傾向にあります。

一般家庭と産業施設(ビルやホテルや工場など)とでは必要とする電力量も保有する敷地面積も異なりますので、当然といえば当然です。

また、使用される燃料電池の種類も異なります。

一般的に家庭用製品は固体高分子形(PEFC)と呼ばれる動作温度の低い燃料電池を使用しますが、産業用は動作温度も発電効率も高いリン酸形(PAFC)や溶融炭酸塩形(MCFC)や固体酸化物形(SOFC)といった種類の燃料電池が使われています。

メリットデメリット

メリット デメリット
環境に優しい発電方法である 導入コストが高い
発電時に騒音や振動などが起きない 導入されているビルや工場がまだ少ない
発電に必要なのは水素と酸素だけ 燃料電池そのものに寿命がある
発電効率が高い 発電できる量はさほど大きくない
非常用電源としても使える 事故が起きるリスクが0ではない

産業用燃料電池のメーカー比較

多くのメーカーが自社商品の紹介ページだけではなく、燃料電池の解説コンテンツも併せて公開しているため、各サイトをチェックするだけでも燃料電池のシステムの勉強になります。

メーカー 解説
日立造船 「産業用固体酸化物形燃料電池」
産業用固体酸化物形燃料電池をフィンランドの企業と共同で開発しています。ちなみに社名に日立が入っていますが、家電の日立製作所とは特に深い関係はなく、日立グループにも属していません。
富士電機 「りん酸形燃料電池」
りん酸形燃料電池の製造開発を行っているメーカーです。既にホテルや医療機関などに製品は納入されていて、4万時間(約4年半)以上の運転実績があります。燃料電池の解説動画も視聴できます。
東芝燃料電池システム 「燃料電池システム」
大手家電メーカーとして知られる東芝は、東芝燃料電池システム社を通じて燃料電池の製造販売を行っています。同社の製品としては家庭用燃料電池のエネファームが有名ですが、産業用の大規模製品の開発も手掛けています。
三菱重工 「固体酸化物形燃料電池」
大型の燃料電池発電システムの開発に注力しているのが三菱重工です。先述の日立造船と同様に固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発を進めています。現在の開発状況なども見ることができます。
三浦工業 「固体酸化物形燃料電池システム」
蒸気ボイラーや食品加工機器などで有名な三浦工業は、固体酸化物形燃料電池システムを住友精密工業と共同開発しています。

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