バイオマス発電の特徴とメリットデメリット

更新日:2018年10月17日

再生可能エネルギーを使った発電として知られるバイオマス発電は、ケースバイケースで集中型電源と分散型電源のどちらにも分類されることがあります。

21世紀に入ってから新しい発電方法として大規模なプロジェクトが実施され、2012年からは固定価格買取制度の対象となったことで更に注目を浴びるようになりました。

目次

  1. 特徴・仕組み
  2. メリットデメリット
  3. 今後の課題
  4. 賛成意見
  5. 反対意見

特徴・仕組み

バイオマス発電の仕組み
(出典:SBエナジー

バイオマスとは有機資源のことを指します。植物・廃材・生ゴミ・下水・動物の排泄物などといった様々なものが有機資源に含まれます。

これらの有機資源は枯渇することがないため、風力発電地熱発電などといった自然のエネルギーを用いた発電方法と同様に、バイオマス発電は再生可能エネルギーに分類されています。

発電の仕組みは火力発電と変わらないため、二酸化炭素を排出することに違いはありません。

しかし、化石燃料を用いる火力発電とは異なり、バイオマスを燃料とすることからカーボンニュートラルという考え方が適用され、バイオマス発電は二酸化炭素を増加させないクリーンな発電方法と言われています。

カーボンニュートラルとは「二酸化炭素を増加させない」という考え方を意味します。

これは、バイオマスは燃料として燃やされる際に排出する二酸化炭素と同じ量の二酸化炭素を、燃やされるまでに吸収してきているため、結果的に大気中に存在する二酸化炭素の量は変わらないということです。

メリットデメリット

メリット デメリット
資源の有効活用になる バイオマス資源の収集にコストがかかる
再生可能エネルギーである 他の再生可能エネルギーと比べると注目度も普及レベルも低い
固定価格買取制度の対象である 本来食用のものを燃料として使用することで、対象となる食品が値上がりする可能性がある
ゴミや廃材を減らし、地域環境の向上が見込める バイオマス資源栽培のために自然破壊をして耕地を拡大する事業者が出てくる可能性がある
カーボンニュートラル(二酸化炭素を増加させないという考え方)である 二酸化炭素を増加させないというだけで、全く排出しない訳ではない

今後の課題

まず、前述のカーボンニュートラルに関係した問題点が挙げられます。

それは燃料として使うことがカーボンニュートラルであったとしても、バイオマスを収集したり製造したりする段階で自動車等を用いて化石燃料を使うことがあれば、大気中の二酸化炭素量はニュートラルではなく増加するという点です。

二酸化炭素量が少し増加する程度であれば大きな問題にはなりませんが、実際に海外ではバイオマスを製造する段階で多量の化石燃料が用いられたことによって、発電前の時点で二酸化炭素を大量に排出してしまったケースも起きています。

もう一つの課題はバイオマスの収集と管理のコストです。バイオマスはどこか一ヶ所に集中しているわけではなく、広く分散していることが多いため、自動車等で広い範囲を移動する必要があります。

移動範囲が広がれば広がるほどコストが高くなりますので、より効率的な収集作業を検討しなければなりません。

なお、この点は冒頭の「集中型電源と分散型電源のどちらにも分類される」にも関係しています。

バイオマスの収集が比較的容易で大量のバイオマスを用いて大規模な発電ができる発電所の場合は集中型電源に、逆に小規模で電力の消費地にも近い場所で発電できる発電所の場合は分散型電源にあたると考えられています。

賛成意見

●●私の住んでいる福島県では、原発を廃止しようという動きが高まっております。代わりに太陽光発電所や風力発電所がたくさんでき、さながら自然エネルギー発電の先進県になりつつあります。

その流れの中でも、カーボンニュートラルという考えから、バイオ燃料による発電も研究が進んでいます。バイオ燃料ということで植物から精製できたり、不用品を利用できたりと、ゼロエミッションという観点からもいい試みだと思います。

それに最近は稲作も制限されるようになり、休田が目立つようになり、見ていて「勿体ない、バイオマス燃料でも作ればいいのに」と思ってしまいます。

植物を燃料にするということで、燃やしても土に帰り、また育てば燃料になるという永久的なサイクル燃料です。それに原子力のような、いざとなるととても危険な燃料では無いため、安全性の観点からも賛成です。

●●私はバイオマス発電に賛成です。バイオマス発電は家庭などからでる生ゴミや木くずなどを燃やし、その際に発生したエネルギーでタービンを回し発電します。

現在主流になっている化石燃料を使用した発電は、大量の二酸化炭素を排出してしまうため、地球温暖化などといったように環境へ悪影響を与えてしまいます。

しかし、バイオマス発電はカーボンニュートラルですので、二酸化炭素の増加を抑えることができます。

しかも、生ゴミや木くずといった普段ならゴミとしてそのまま廃棄してしまうものをエネルギーとして使っているため、無駄なく有効活用することができます。

このように、バイオマス発電は従来の化石燃料の発電よりも環境に良い事から私はバイオマス発電に賛成します。

●●再生可能エネルギーとして注目を集めているバイオマス発電ですが、現在のところ、全発電量にしめるバイオマス発電の割合はごくわずかな状態です。

東日本大震災以降、原子力発電への安全性が疑問視され、主力は火力発電となっていますが、火力発電の燃料となる石炭や石油には限りがあります。すぐになくなるというものでもありませんが、必ずなくなる日がやってくるものです。

そういった意味で、バイオマス発電の再生可能という点は燃料の確保という面において重要性があるのではないでしょうか。

まだまだ歴史の浅いこともあり、発電効率や経費面で改善していかなければいけない点はあるとは思いますが、技術革新によって、より効率的にしていくことは可能だと思います。

現在の電力事情だけでなく、将来的な電力事情を考慮したうえで、こういった再生可能エネルギーによる発電量を増やしていく必要があるのではないでしょうか。

●●限りある資源を有効に使うという点では、全面的に賛成です。特に生ゴミや下水汚泥や糞尿などを発酵させるバイオガスによる発電は、燃料の安定供給が見込めるはずですので、もっと普及させるべきだと思います。

ただし、ニオイの問題や、有害ガス・物質の漏えいなど、設備周辺地区への悪影響が心配ですし、万が一の事故のときの衛生的な問題は必ずクリアしておくべきです。

また、可燃ごみや廃油を用いた直接燃焼方式も良いと思います。ただ、それだけでは発熱温度が低くなるのは否めないので、木材クズが大量に必要とされます。

しかし、今日では木材クズを再利用する技術も高まっているので、できるだけ木材を燃やさずに済む方法が開発されることを望みます。

●●バイオマス発電についてですが、これを、ゴミの処理を利用した発電という意味で捉えるならば、この発電には賛成です。私はスーパーマーケットなどの倉庫で、何年間かアルバイトをしたことがありますが、そこでは毎日大量にゴミが出ます。

倉庫からでるゴミで、ダンボールであれば、持ち帰って自分の家で利用できるかもしれませんが、荷物がかなりかさばり、個人が持ち運ぶのはかなり大変な量です。そのため、結局、ゴミ収集の業者さんなどに持って行ってもらうしかありません。

ですが、毎日大量のゴミが出るということは、毎日安定した量のゴミが出るとも言えます。そうなると、毎日安定したバイオマス発電の発電量が確保できると考えられます。

実際にアルバイトで大量に出るゴミを見てきた人間としては、バイオマス発電を有効活用してほしいです。

●●私はバイオマス発電に賛成です。理由はバイオマス発電は再生可能な火力発電ともいえるからです。バイオマス発電は、生ごみや木くずといったゴミとなってしまうものを燃やして電力を発電します。

火力発電の原料となる石油や天然ガスの代わりに、私たちが普段の生活で排出するものを燃やしてエネルギーにできるのは、地球環境の面から見て、とても素晴らしいと思います。

今はまだコストがかかるなどといったデメリットのためにあまり普及は進んでいませんが、日本は火力発電大国です。

火力発電のために培った効率の良いエネルギー変換方法を、バイオマス発電にも活かすことで、コストダウンできるのではないかと考えています。

他の再生可能エネルギーに比べて、現状の発電方法と似たような仕組みで発電できるといった理由で、バイオマス発電はどんどん普及させるべきだと思います。

●●バイオマス発電で一番のメリットは、やはり再生可能エネルギーだという事ではないでしょうか。

リサイクル的な観点から、環境にも優しく、私たちが毎日生産し、なおかつ処理に困っているゴミを有効活用できる、今大変注目されている発電方法です。

自分たちでつくりだすごみを使用するので、他の国の資源に頼る必要がなく、安定した供給が望めます。何かを消費したり、危険が伴ったりしない、大変エコフレンドリーはエネルギーの生産の仕方だと思います。

これからは何をするにも環境への配慮が叫ばれる時代です。そんな今に時代にぴったりなグリーンな発電方法ですから、これからも技術が発展してどんどん広まっていくことを期待します。

反対意見

●●バイオマス発電は、生物由来の再生可能な物質を使って発電するため、環境に優しいイメージがあります。しかし、その量が限られている以上、主要な発電として使うことができません。

このために、小規模な発電所しか作れなくて、補助的なエネルギー源にしかなりません。2017年度では総発電量の1.5%しかなく、腹の足しにもならないのです。環境を大切にしている人が趣味で行う領域から脱していません。

コスト的にも採算が取れていません。どれだけ研究が進んでいても、コスト高が続いています。発電所を建設しても、発電に使う材料にも困るところが出ています。

そのため、バイオマス発電をどれだけ頑張っていっても、伸びるように思えません。より現実的な発電方法に力を注いだ方がいいです。

●●基本的に廃棄素材を利用するといっても、大規模にしようとすれば必然的にコストがかかりやすい構造になっているのが問題であります。廃棄物を集めるのにも、かなりの量を必要としますので、集めるだけでもコストが大きいです。

また、自然にやさしいとは言われますが、バイオマスの燃料を作るために森林伐採をして農地を作ったりすれば、CO2を吸収するものを減らすことになってしまい、かえってよろしくないような意見があります。

食糧を生産する土地を燃料用のものを生産してしまったりもすれば、食糧戦争も起こったりもする可能性があります。

発電効率もそこまで大きくないという面からも、あまり代替エネルギーとしては有用性はなく、小規模レベルにとどまるくらいにしかならないでしょう。

●●バイオマス発電はコストがかなりかかります。発電所建設にはもちろんのことですが、設備自体も高額になります。

発電時に排出される二酸化炭素自体は極めて少ないので(カーボンニュートラルのため)、クリーンな発電と考えがちですが、その発電所を作るまでにも多量のCO2がでてしまうのです。

また、バイオマス発電の資源は木材や生ごみ、動物の糞等と我々が普段捨てているものを再利用しているのでエコといえばエコなのですが、エネルギーを更に多く生産しようとするあまり、バイオマス発電に使う為だけのトウモロコシ等の食料を生産するということが起きてしまう可能性があります。

これは私たちの日々の食事に影響をもたらしかねません。こういった点をトータルしてバイオマス発電には反対です。

●●私は効率の悪さからバイオマス発電には反対の意見です。正確に言えば、バイオマス発電自体に反対しているのではなく、「バイオマス発電をエネルギーのメイン発生源にしよう」という意見に反対です。

バイオマス発電を推進している人たちは本当に調査したうえで言っているのでしょうか?それとも、ただ現在のエネルギー政策に対する批判として言っているのでしょうか?

おそらく後者の部分が大きいのではないでしょうか?それはただの政策批判の道具にしかすぎません。

バイオマス発電は原子力発電や火力発電と比べれば自然にやさしいエネルギーかと思います。しかしおそらく、バイオマス発電だけですべての、またはメインとして地球上のエネルギーを賄う事は今の時点では不可能でしょう。

間伐材や不要になって他に使い道がないものだけを資源として使い、他の方法に対するサテライトという位置づけとして、その他の環境によくない発電方法を少しでも減らしていくべきだ、という観点から利用するのであれば賛成できると考えています。

●●木質チップを直接燃焼して発電するのであれば、反対です。

燃焼させることで、樹木が成長過程でせっかく吸収した二酸化炭素を再び大気中に放出することになり、また発電施設の建設から運転、廃止までのライフサイクルで考えれば、木質チップの直接燃焼では結局のところ大気中の二酸化炭素を増やす結果となります。

近年は二酸化炭素を吸着して貯蔵する技術や、再生可能エネルギーを使って二酸化炭素を分解する技術の開発も進められていて、このような技術が確立、進歩していくと思われます。

現時点では、石炭などの化石燃料を燃やして発電するよりは良いのだろうが、技術の発展などのブレークスルーにより、将来的には経済的にも、また地球温暖化防止の観点からも、他の発電方式の方が優位になると思います。

●●日本では、現在242万kW容量の発電設備が認定されています(資源エネルギー庁のデータ)。ただ、このほとんどが石炭等他の燃料も使用した混合型の設備となっています。

その理由は、「バイオマス資源を安定的に入手できない」という問題点にあります。バイオマス資源は家庭から出る一般ゴミの他、廃油や木材の木くず等が原料となります。

ゴミの廃棄という点では効果がありますが、これらが常に一定量確保されるということは非常に困難です。

また、これらの資源を直接燃焼させエネルギーを取り出す場合、燃焼のための燃料が必要になります。エネルギーコストとしてはあまり効果が望めません。

バイオマス資源を発酵させる場合でも、その保管場所、発酵させるための熱源などの問題も生じます。そのため、バイオマスの使用がエネルギー問題を解決するわけではない、ということを理解する必要があります。

●●バイオマス発電は地球にやさしい発電として注目はされていますが、材料の運搬や乾燥などに手間とコストが大きくかかるにも関わらず、それほど大きなエネルギーとならないので、効率性がとても悪いです。

また、私たちが必要としている資源を使うということも反対です。動物の糞尿などはたくさんありますが、材木は有限であり、私たちの生活でもとても必要な資源です。

トウモロコシがよくバイオマス資源として考えられますが、今後食糧難が襲ってくるかもしれないといわれるほど、人口は増えていきます。その中で貴重な食料を使うのはどうかと思います。

私たちが生きていく中での優先順位を考えると、バイオマス発電をするべきではないと考えます。

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