地熱発電の特徴とメリットデメリット

更新日:2018年10月17日

地下深くには地熱と呼ばれる熱源が存在します。その地熱によって発生した蒸気を利用して発電する方法を地熱発電と言います。

発電所によってどれだけ深く掘るかは異なりますが、だいたい1,000m~3,000mほど掘削します。火山帯に位置する日本には地熱が豊富に存在していると言われ、今後の展開に期待がかかっています。

目次

  1. 特徴・仕組み
  2. メリットデメリット
  3. 今後の課題
  4. 賛成意見
  5. 反対意見

特徴・仕組み

地熱発電の仕組み
(出典:JOGMEC

日本は使用する化石燃料のほとんどが海外から輸入していることから、一般的に天然資源の乏しい国とされていますが、そんな日本の強みとなり得るのが地熱発電です。

火力発電に必要な天然ガスや石炭などの化石燃料は不要で、純粋に地下深くにある地熱さえあれば発電することができます。

なぜこの地熱が日本の強みになる可能性があるのかというと、それは日本の地熱資源が豊富であるからです。

世界的に見ても指折りの地熱大国と言えます。ここ数年で地熱発電に着目したドキュメンタリー番組やドラマなどがいくつも制作されていますので、テレビで見て知っているという方も少なくないのではないでしょうか。

また、地熱は枯渇の心配がない再生可能エネルギーの一種です。私たちが普段何気なく使っているガスや石油などはいずれ使い切ってしまう恐れのある枯渇製エネルギーですので、再生可能であるという点はとても大きなメリットとなります。

メリットデメリット

メリット デメリット
二酸化炭素を排出しない 開発費や調査費が高い
再生可能エネルギーである 発電所建設の調査から発電所稼働までの期間が長い
朝から晩まで安定した発電が可能 比較的規模が大きくなるため、周囲の景観に影響を及ぼす
季節や天候の変化による影響を受けない 僅かながら温泉の泉質や湯量に影響を与える可能性がある
地熱量が世界3位である日本に向いている 国定公園や国立公園などといった開発規制が設けられている場所に熱源が多い

今後の課題

このようにメリットの大きな地熱発電ですが、まだ発電所の数はとても少ないです。実は発電所建設の足かせになっている課題がいくつかあります。

1つ目は温泉との兼ね合いです。「地熱発電で利用する地層」と「温泉で利用する地層」は深さが全く異なるのですが、泉質や湯量への影響が全くないと言い切ることができません。

温泉街そのものが観光名所として認識されている場合、その影響が死活問題になりかねないため、反対している温泉街が少なくないという状況です。

2つ目は開発コストの問題です。発電所を建設するためには様々な調査が必要となり、調査開始から実際に発電を始めるまでに10年以上の時間がかかります。

これだけ時間がかかってしまうと収益化の見通しが立てにくくなってしまい、企業としても積極的に事業として取り組みにくいと言えます。

3つ目は景観の問題です。1つ目の温泉にも関係する可能性があることなのですが、地熱発電所の建設に適している場所は国立公園や国定公園に指定されている場所が多く、法令で開発が制御されてしまいます。

また、仮に建設許可が出ても周辺の景観に影響を与えることから、地元からの反発を招く恐れもあります。

賛成意見

●●日本は火山列島でもあり、地熱発電に必要なエネルギーや環境は世界的に見てもそろっていると思うので、再生可能エネルギーとして地熱発電を推進していくことは非常に有効だと思います。

太陽光発電などとは異なり、天候の影響を受けることなく発電することもでき、設備の多くが地中に埋まっているため、たくさん作ったとしてもそこまで景観を損ねることもないと思います。

温泉などと同じように、地中の熱エネルギーは長期間にわたり活用することが可能だと思うので、資源が枯渇する心配をする必要もありませんし、日本には合っている発電方法ではないかと感じます。

導入するまでには多くの費用と時間がかかるとは思いますが、それを差し引てもメリットがあるのでぜひ進めてもらいたいと思います。

●●日本は鹿児島の桜島などといった活火山を多く抱える火山大国であり、地熱発電を行える環境があります。

現在、地熱発電は火力や水力、風力といった自然エネルギーの中でも発電割合が低いですが、発電するための資源や設備費などは他の自然エネルギーよりも安価と言われ、天候などに左右されずに安定的な発電が可能です。

さらに、火力などの発電によって発生する二酸化炭素などの弊害もないから、将来性が高い発電方法になります。

日本は地熱発電がまだまだ広がっていませんが、インドネシアなどでは地熱発電が広がり、日本の技術が多く活用されています。

すでに海外での地熱発電のノウハウが蓄積されているので、効果的な発電が可能となっているのから積極的に活用すべきと考えます。

●●地熱発電は、火山が多くあり、地熱がある日本には適した再生可能なエネルギーの発電方法の一つと言えると思います。また、地熱発電は既に日本にある地熱を利用しているので、別途燃料を必要としません。

燃料を使わないということは、燃料コストがかからず、かつ、海外からの燃料を購入していた場合に考えられる燃料価格の変動や諸外国との関係に左右されず、海外に依存しない自国の資源で電気を供給することができるということです。

二酸化炭素の排出量も少なく、環境に与える悪影響も少ないですし、季節や天候などの気象状況にも左右されません。地熱がなくなるということもあまり考えられませんので、長期的に見て安定した供給ができることもメリットの一つです。

●●私は地熱発電に賛成しています。賛成している理由の1つとしては、日本の国土の持つ特徴をいかした発電方法であるということです。

日本は火山の多い国です。地熱発電はその地下にあるマグマを利用し、その水蒸気を使って発電しますから火山の多い日本に向いている発電方法だと思います。

しかも、発電のために何か原料を用意しないといけないわけではありませんから、非常に経済的であり、安いコストで発電することが可能だという点でも、大変魅力のある発電方法だと感じています。

そして賛成する2つ目の理由としては、発電する際に何か廃棄物等が出ることもなく、地球環境にも優しいということです。

火力発電や原子力発電などにおいては地球温暖化に繋がるようなガスが出たり、放射性廃棄物が出たりと、環境やその処理方法をめぐり様々な問題があります。しかし、地熱発電に関してもはこれらのような問題は発生しません。

地球の持つエネルギーを発電にいかすわけですから、環境に悪影響を与えることなく発電を進めることができるわけです。ですので、将来の地球のことを考えると、これ以上ないくらい良い発電方法の1つになるのではないでしょうか。

以上の点から、私は地熱発電に賛成しています。

●●地中から蒸気を採取し、タービンを回して発電する地熱発電は、化石燃料の燃焼を伴わないため、環境にやさしいというメリットがあります。

地球温暖化対策が待ったなしを迎えている現在、地熱発電を推進していくことが、地球環境問題にとっても重要な役割を果たすと考えます。

また、地熱発電は、火山大国日本の地理的メリットを生かした発電法になります。恵まれた環境にある地熱発電の技術開発を支援することで、世界に輸出できるエネルギー産業となる可能性を秘めています。

日本の技術力を先進エネルギー分野に注ぎ込むことで、成長産業に育てていき外貨の獲得を目指すことができます。それ以外にも、地熱発電の技術を途上国に伝え支援することで、国際貢献を果たすことも可能です。

これらの理由から、地熱発電に賛成しており、国はもっとこの分野に資金をつぎ込むべきと考えます。

●●4点メリットがあると考えます。

1.燃料を必要としない
例えば火力発電では、モノを燃やし、その熱で水を温め水蒸気を作り、タービンを回して発電を行っています。

対して地熱発電は、すでに温められた水はあり、それを使うだけです。ものを燃やすという工程が不要であるため、燃料が不要であり、コストを削減できます。ごみやカスに関する懸念もありません。

2.天候に左右されない
地熱発電は地中のマグマの熱を利用するものです。雨が降っていても、曇っていても利用できます。そのため、安定供給が見込めます。これは太陽光発電や風力発電にはないメリットです。

3.日本においては資源が多い
地熱発電は地中のマグマ熱を利用するものです。日本には活火山も多いため、利用できるマグマ帯も多くあります。

4.施設が目立たない
地熱を利用するものであるため、主な施設は地下にあります。もちろんタービンなどの施設は地上にある必要がありますが、太陽光発電のように反射に悩むことが無く、風力発電のように羽音に悩む必要もありません。

●●私は地熱発電には環境に優しいという面から見て全面的に賛成です。賛成する1つ目の理由は、二酸化炭素の排出量が極めて少ないことです。

地熱発電は、火力発電のように発電する際にエネルギー(燃料)を消費することがないため、二酸化炭素の排出を抑えることができます。環境に優しく、今、問題となっている地球温暖化防止対策にもなります。

2つ目は再生可能エネルギーだということです。地熱発電は地熱をもとに発電しているため、石炭や石油などの貴重な資源とは違い、枯渇することなく、永久的に発電させることができます。

以上の2つのことより、環境面において地熱発電を賛成します。

反対意見

●●50代男性会社員です。私の住んでいるところは福島県の有名温泉地が近いところになります。最近、地熱発電所を作り、太陽光発電の様にエコなエネルギーで原子力発電の代わりにしようという動きがあるようです。

しかし、地熱発電についてよく調べてみると、温泉を利用するということで山の近くに施設を建てるそうです。それにより、温泉地の景観が損なわれたり、温泉の水量が減ったりという弊害も各地で起きているようです。

それに、国立公園も近くにあるので、それを壊すことになってまで、わざわざ施設を作ろうとするメリットは感じられません。

発電量もそれほど多くないと言うことなので、水力などと同様に、自然破壊や住民の追い出しをした割には、あまりにも見返りが少なく、ただ単に自然破壊をしただけになりかねません。

原子力の不足分ということであれば輪番停電で十分かと思います。

●●地熱発電は、技術的には優れた発電方法です。地下からのエネルギーを利用して発電できるなら、エネルギー源を輸入する必要が無くて便利に思えます。

しかし、地熱発電の占める割合は、2017年度現在で0.2%しかないのです。それを見たら大きな問題があるとわかります。

地熱発電に利用する熱源は、温泉が考えられますが、既に温泉は様々な目的で利用されていて、使いたくても使い難い状態にあります。

温泉地で大々的に使っている物を取り上げて発電設備にすると言っても、反対意見が出て、建設まで至ることがありません。未使用の熱源は人のいない国立公園内にあって、開発するのが難しい。国立公園内から電線を引いてくるのは駄目でしょう。

こんな状態であれば、開発することもできずに計画倒れになります。

どれだけ優れた発電方法でも、建設可能な土地がなかったら、使用することができません。地熱発電は増やせません。別の発電方法にした方がいいです。

●●地熱発電は、基本的に発電をするにしても場所を選ぶという面でまず問題点があります。

火山や温泉が出るような地域でないとまず設置が難しいものですから、利用する場所は限られています。そういったものが全くない地域では活用できません。

また、地熱発電に関しては火山ガスなどに含まれている成分が、地熱発電に利用するパイプなどの腐食や劣化につながったりします。

定期的にパイプなどの機材を交換などしないといけませんので、意外に維持管理コストがかかってしまうというのも、かなり大きな問題となっています。

それ故、費用面に関してもかえってかかってしまいますから、コストパフォーマンス的に落ちてしまうといったところもデメリットとして挙げられます。

●●地熱発電は経済的な観点から反対です。日本は火山が多いので地熱発電に適している地形ですが、火山が起きた際には溶岩などによって発電施設に損傷が起き、復旧するための費用負担が掛かります。

特に近年は活発な火山活動が増えており、火山の危険性は増しており、万が一、復旧するための費用が発生した際は、電力会社では費用が賄えず、国だけでなく、実際に電力を使用する国民負担になる可能性があります。

また、どの火山を利用するかといった調査にも費用が掛かり、実際に稼働するまでのコストも莫大です。派遣する人員などのランニングコストも発生することから、地熱発電は現実的な発電手段ではないと考えています。

●●地熱発電は一見クリーンなイメージもありますが、色々なデメリットがあります。まず、温泉への影響です。

地熱エネルギーは地中の熱を資源としているため、少なからず温泉に何らかの影響をもたらしかねません。温泉大国である日本にとってはかなり重要な問題です。もし地熱発電により温泉が減ってしまえば観光産業にも響いてくるのです。

更に発電所を作るにあたっての地下の調査費用等が掛かるために、そのコストに見合った発電量が得られないかもしれないというリスクがあります。

しかも、その時の工事の振動や騒音なども周囲に迷惑をかけてしまいます。加えて、発電所が稼働するまでには10年20年とかなりの時間がかかるのです。こういった内容からみて、地熱発電には反対です。

●●地熱発電は火山が多く地熱の多い日本に適していますが、日本は現在、地熱を温泉などの観光に使用しています。

しかし、地熱発電を始めるにあたっては火山の周辺や温泉地が候補地になりますので、観光産業への打撃はリスクとして考えなければなりません。

また、地熱発電所の建設費用や、建設期間の問題や自然破壊の問題もあります。こういった問題は人々の生活に深くかかわってきます。観光地のすぐ近くに大きな施設を建設するということは、観光地の景観を損なうことにもなります。

温泉は日本の大事な文化ですので、観光に影響の与えない別の発電方法があるのに、文化や観光に大きな影響を与えてまで行う価値があるとは言えないと思います。

●●地熱発電は火山大国である日本において、非常に注目されている発電ではあります。

しかし、地熱発電は火山の近くの地熱を使うことが必要になっていますが、そこには温泉街など観光地がすでに多く存在しています。つまり、地熱発電を進めていくということは、日本の温泉街や観光地に打撃を与える発電になり得るということです。

日本の経済に大きなダメージを与えることを考えると、進めるべきではありません。また、自然への影響も大きいと考えられ、環境面でも大きなダメージとなります。

日本の観光業はこれから伸ばしていかなければならないものであり、自然に関しても緑化計画がされている中で、その逆に進めてしまう地熱発電はするべきではないと考えます。

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